« ICN(国際競争ネットワーク)カルテルワークショップ | トップページ | 企業結合/BHP・Rio Tinto »

グーグル・ヤフー問題

【いわゆるグーグル・ヤフー問題について、公正取引委員会委員長の答弁(衆議院経済産業委員会 09/08/2010)。】

近藤(三)委員
閉会中の七月の末、日本のヤフーと米国のグーグルの提携が発表されました。両社の提携の内容は、日本のヤフーがグーグルのインターネット検索技術、広告配信システムを利用するとのことです。
 この提携によりまして、日本でのグーグルの検索シェアは九割を超えることになります。つまり、日本でインターネットの検索を利用しようとすると、今、両社合わせてシェアは九割以上ですから、我々はグーグルの技術を利用して検索結果や広告内容を得るということになるわけです。
 公正取引委員会は、両社の提携の前にヤフーから取引に問題がないか事前に相談を受けたが、問題がないとの見解を示したと報じられています。しかし、今回、ヤフー側は、公正取引委員会の事前相談制度をもって正当性を主張しているようです。
 この事前相談制度なんですけれども、法律上の手続ではありませんので、その内容に透明性を欠き、利害関係者や第三者に対してさまざまな疑念を生じさせているという側面もあるのではないかと思われます。
 今回の提携は、日本のインターネットによる検索システム、広告配信システムの九割以上がグーグルのシステムに依存することになります。広告費の一方的な値上げなど、実質的なグーグルの独占の弊害が出るのではないかという懸念も各方面から指摘されています。今回の提携を公正取引委員会はなぜ容認したのか、その理由をお聞かせください。

竹島政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、ヤフージャパンから、グーグルの検索エンジンを使うこと並びにグーグルの検索連動広告の配信システムを使うことについて独禁法上問題はありませんかという事前相談を受けまして、それに対して、説明のとおりであれば直ちに独禁法上の問題はないでしょうという返事をしております。
 その後、マスコミを含めいろいろなところからいろいろな御意見を承っておりますが、二点申し上げたい。
 一点は、二〇〇八年にアメリカのヤフーとグーグルが提携をしようとしたことがありまして、これについて競争上の懸念があるということでアメリカの反トラスト局から指摘を受けて、この話はなくなりました。その後、アメリカのヤフーはマイクロソフトと提携することになりました。
 それと同じことを日本で何で認めるんだというような御指摘もあるんですが、一つ全く違う点がある。アメリカのヤフーは自分で検索エンジンを持っていました、それで検索連動型広告のサービスもやっていた。まさにアメリカにおいては、グーグルとヤフーというのは同じような、同業のライバルであったわけです。そのヤフーが検索エンジンの開発をやめちゃった、マイクロソフトを使うことにしちゃった。そうすると、日本のヤフーというのは検索エンジンを持っていない、アメリカのヤフーの検索エンジンを使っていた、そのもとのアメリカのヤフーがやめちゃった、さて、自分はどの検索エンジンを使うかという立場にヤフージャパンは置かれたわけでございます。
 それで、いろいろ検討した結果、日本語の検索という観点からいえば、マイクロソフトよりもグーグルの検索エンジンを使った方がいいという判断をヤフージャパンはしたわけです。その判断自体について独禁当局として何か口を差し挟むような話ではありません。それはあくまでも企業が、どういうものが自分たちにとって一番有利であるか便利であるか、カスタマーのために何が便利かという見地から決めたわけですから、したがって、アメリカのケースとは違うということをぜひ御理解いただきたい。
 検索エンジンは確かに使います、グーグルのものを借りて使いますが、それを使ったサービスは、ヤフージャパンは、グーグルとは別に自分で調整するなり、カスタマイズと言っていますが、そういうことをやることによってユーザーに従来どおり独自のサービスを提供します、こういうことを言っているわけです。あわせて、我々は、それであれば直ちに競争がなくなるわけじゃないから問題はないでしょうということを申し上げているわけでございます。
 仮にこれから、そういったことではなくて、グーグルとヤフージャパンが例えば広告料について何か協調行動をしているとか、そういうことで独占的な行為に及ぶというようなことになりました場合には、これは言ってきた話と違いますから、当然独禁法上の問題になる。だから、これからは日本において、検索連動型広告というものの市場においてどういうことが起きていくかということを公正取引委員会としても十分にウオッチしていきたい、こういうふうに思っております。

近藤(三)委員 公正取引委員会としては、事前相談の段階では、今回の技術提携によって実際のサービスがなされたときにどのような問題が起きるのか、ちょっと判断しかねるという部分、すなわち、白とは言えないけれども黒とも言えないという見解であったかなというふうに受け取りました。ならば、今回、両社の提携が明らかになりまして、公正取引委員会としても守秘義務の縛りもなくなったわけですね。関係者からの事情をよく調査していただきまして、実際のサービスが開始された以降の問題についてもしっかりと監視していただきまして、公正取引委員会の本来の機能を発揮していただきたいと思います。
 本件について、今後の公正取引委員会の具体的な取り組み、今、委員長はしっかりとウオッチングをしていきたいというふうに言っていただきましたけれども、どのような取り組みを考えておられるのか、お教えいただけますでしょうか。

    〔吉田(お)委員長代理退席、委員長着席〕

竹島政府参考人 具体的には、事前相談のときにあったお話が、これからの事実と別にそごがないかどうか、それから、反競争的な行為が行われないかどうか、そういったことをアンテナを張ってよく見ていきたい。
 それから、いろいろな方面から御意見もいただいていますから、我々はそれを謙虚に勉強させていただいて、言っておられることについて誤解があれば、いや、それは誤解ですよ、状況が違うんですよという御説明もちゃんといたしますし、そうじゃない、なるほどというお話であれば、我々はそれを謙虚に受けとめて新たな展開を図っていきたいと思っております。

近藤(三)委員 ありがとうございます。
 今後とも、公正取引委員会には、まさに名前のとおり公正な対応をしていただきたいと思います。ユーザーや関係する産業界に問題が生じないようにぜひ対応していただきたいと思います。私としても、本件につきましては、引き続き問題意識を持って対応していきたいと思いますし、注視していきたいと思っております。

|

« ICN(国際競争ネットワーク)カルテルワークショップ | トップページ | 企業結合/BHP・Rio Tinto »